低空飛コウ

好きなものいろいろ。

八日目の蝉 最終話

最終話が一番よかったです。なぜなら恵理菜メインだったからです(笑)
はっきり言って、希和子には最後まで共感することも同情することもできなかった。
この作品のテーマとして「母性」があったと思うのですが、希和子からはそれは感じられなかったです。
必死に薫を自分のものにしようとしていただけに見えました。
裁判所での言葉は、それはそれとして、きちんと謝罪するべきだったと思います。
希和子にとってかけがえのない5年間であったことは間違いないし、犯罪を犯したことによって失うものより得たものの方がはるかに大きかったのは分かります。でも、確実に他人の人生を奪ってしまった。結果的にというわけでなく、大切なはずの薫の人生も狂わせているにも関わらず、その後を見てもそのことが分かっているのか分からないのです。


…でも、「愛情」はあったんですよね。
最終話では本当の家族のもとに戻り、家族といるために5年間の記憶を封じ込めた恵理菜が、その記憶を辿りに行きます。
いろいろな場所で少しずつ記憶を取り戻しながら、最後に文治から別れる時の希和子の言葉を聞いてすべてを思い出すのです。
封じ込めた記憶の中で唯一ひっかかっていたもの。この言葉は素直にいいなぁと思いました。
この言葉で、恵理菜は記憶だけじゃなく「愛情」も取り戻したのだと思うのです。
つまりは背景がどうであろうと、疑うことなく自分が大切にされていた事実。だから、子どもを産もうと決意できたのかな。
電話した時の母の「なんでもいいわよ、もう」には少しがっかりしましたが。ここへきて投げやりかーい(笑)
一番最後に出会うのは分かってましたが、あの別れ方は2人にとって一番いいだろうなと思いました。


さて、ストーリーはストーリーとして。
岸谷五朗さんの色気にやられたり、小林星蘭ちゃんの演技力に驚かされたりしてましたが…*1
何といっても北乃きいさんがかなりよかったんですよ!
母親に妊娠してることを話して、叩かれているところとか最高でした*2
北乃さんは何かをあきらめてしまった表情がすごくいいなぁと思います。無機質だけど、自暴自棄にはなっていない。
冷静なんですよね。世界をとても客観的に見ている気がします。それは北乃さん自身からも感じることなんだけど。
そして、そこからの感情をさらけ出すシーン。一緒にすごく泣いてしまったよ。
これ見てやっぱ北乃さん大好きだ!ってなりました。

*1:方言かわいかった〜。

*2:あれは本気で痛そうでしたが。