低空飛コウ

好きなものいろいろ。

2月24日『パンとバスと2度目のハツコイ』トークショーに行ってきました。

昨日シアタス調布で行われた、今泉力哉監督と『サッドティー』主演の岡部成司さんによる『パンとバスと2度目のハツコイトークショーに行ってきました。
ちょうど東京で用事があって、また映画も観たかったし、今泉監督に興味津々で会ってみたいということでチケットを取ったんです。


映画鑑賞終了後、トークショーが開始し、今泉監督登場!めっちゃ猫背でかわいい。失礼かもですが、見た目と話している時の温かな雰囲気とのギャップはとても魅力的だなぁと感じています。
岡部さんはまさかの客席から登場!立った瞬間から普通の雰囲気なのにめっちゃかっこいい。役者さんってすごい。『サッドティー』も観たいと思いながらまだ観られていなかったので、失礼ながら岡部さんのことはよく知らなかったのですが、一目見てファンになってしまいました。


そして…司会の方からサプライズゲストがいます!と紹介されて出てきたのは深川麻衣さん!もうかなりびっくりしました。正直期待していなかったといえば嘘になるんですけど、でもまさか本当に来てくれるとは…。深川さんも客席で一緒に映画を観ていたとのことでさらにびっくり。一般の観客と一緒に映画を観たのは初めてとのことで、その場にいられたことがうれしかったです。


では、トークショーの内容について覚えていることをつらつらと。間違っているところも多々あると思います。あしからず。ネタバレもあります。



今泉監督の作品について

岡部さん「パンとバスと2度目のハツコイを観たのは2回目。今泉監督らしさは残しつつ、幅広い人が観やすいようになっていると思った」
今泉監督「他の人からも言われたが自分からするとどこが違ってそうなっているのかは分からない」
深川さん「撮影の前にサッドティーを観ていた。今泉監督の作品はモヤモヤするところがあって、あまりこういう恋愛映画は観たことがないなと思う」
今泉監督「自分の考えが反映されているので、どこがモヤモヤするのか分からない。元々モテなくて嫉妬から恋愛映画を作るようになった。付き合っていようがいなかろうが7割は片想いなんじゃないかと思う」
岡部さん「今泉監督の作品では身体的接触が少ない。この作品でも最後の肩をぶつけるところくらい。サッドティーでも頭をなでるシーンが1つあるくらい。だからこそ描ける世界観なのかなと思う」
司会(宣伝担当の方)「宣伝担当としても今泉監督の作品をどう表現して宣伝すればいいか悩んだ。最終的に“モヤキュン”という言葉を使った。ふみのことも“こじらせ女子”と表現した」
今泉監督「ふみのことを“こじらせ女子”と表現するのは反対だったけど、間違いではないなとは思った」

パンとバスと2度目のハツコイ』について

岡部さん「この映画はキャスティングが先だったのか?」
今泉監督「深川さんが出演するということは決まっていて脚本を書いていった。深川さん以外はその役に合う人をキャスティングしてもらった」
深川さん「好きなシーンは1回目のコインランドリーの場面で一瞬映るふみ目線のたもつ。何回も観ていると細かいところにもこだわりを感じる」
今泉監督「バスの運転席に座るたもつのことだと思うが、たもつもまた孤独な人なんだということを表したかった。カットしたシーンにふみが“孤独な人に惹かれるのかも”と言っているところがある」
今泉監督「映画を作っていく中で次第に意識的に食事のシーンを入れるようになった。1人で食べる貧しさだったり、地方で大家族で食べる豪勢な感じとかそういった違いを食事で表すことができると思う。二胡が作った食事は前の映画で評判が良かったもの*1。色味とかを指定してお願いした」
今泉監督「こんなことを言っていいのか分からないが、もっとできたなと思うところは最初のシーンのフランスパンの焼きたて感。撮影していたパン屋にはない長さと硬さのフランスパンで特注品。自分が制作過程を知っているからかもしれないが、もっと焼きたて感を出したかった*2

観客からの質問①「結婚する決め手は何だと思うか」

今泉監督「隠しているわけではないから言うが、自分は結婚していて3人の子持ち。この結婚はできちゃった婚なので決め手といえばできちゃったからになると思う。ただ、それまでは交際が1年ももたなかったけど、今回は8~9年続いているのでよかったんじゃないかと思う。でも何が結婚の決め手になるかというのは難しい。ふみの考えは自分の考えを投影していて、結婚式では親もいたので言わなかったが、2次会では奥さんへのサプライズの手紙で“ずっと好きでいられるかは分からない”と伝えた。自分の友人にはらしいと言われたが、奥さんの職場の人からは浮気しないように言われた。そういう考えだから結婚式で神父が言う“病めるときも健やかなるときも~”が嫌だった」
深川さん「結婚の決め手が何かは今は全然想像できないけど、自然と出会ってそうなればいいなと思う」
岡部さん「想像したこともないので分かりません!*3


観客からの質問②「ふみをバスの洗車が好きなキャラクターにしたのはなぜか」

今泉監督「元々洗車のシーンを使ってみたかった。子どもの保育園の送り迎えの時にバスの洗車を見る機会があって、バスなら他の映画でもやってないかなと思った。あと、バスは中からも洗車を見ることができるが、それが浄化の意味合いもあるのかなと。ふみには自分の汚れた部分を洗いたいようなところがあると思う」
今泉監督「ちなみに今回の映画は編集を別の人がしているが、自分だったらバスの洗車シーンは最初から最後まで丸々使って150分くらいの映画になってたと思う。編集が自分ではないところも今回見やすくなっていると言われる要因かも。サッドティーはちょっと尖ってるかな。競歩のシーンとか。」

この質問は、1つ目の質問をした方が男性だったので次は女性で…という指定だったんです。でもなかなか誰も手をあげなくて。そしたらすかさず深川さんが「こういう場では手をあげるの勇気いりますよね」とフォローしてくれたのでした。優しい…。

プレゼントコーナー

今泉監督から監督、深川さんのサイン入り台本・ポスター・エコバッグなどのプレゼントが!深川さんはその場でサインを書いていてうわ~ってなりました(笑)

まずはパンバスに関するクイズ*4。挙手制で早い者勝ちでした。あんまりすぐ分からなかったり、遠慮しちゃったりでなかなか手があげられなかったけど、次第にせっかくなら欲しいという気持ちが強くなり、手をあげだす私(笑)

結局当たらず無理かなぁと思っていたところで「今日誕生日の人」とかお題に当てはまる人がもらえるパターンに。「一番遠くから来た人」というお題で最初に手をあげた人が「名古屋」と言っていて。「それより遠くから来た人ー?」と聞かれて、たぶん違うけどあげちゃえと思って手をあげたんですね。何人かあげてて最初に当たった人が「長崎」と答えて、こりゃ無理だとあきらめたところで、今泉監督が「他にもあげてた人はどこから来たんですか?」と聞いてくれたんです。で、答えたらその人たちにもあげましょうということになり、何とプレゼントがもらえてしまいました…。あわわ。もらったのは非売品のエコバッグ*5。もちろん今泉監督と深川さんのサイン入り…。今泉監督字がきれい…。一生の宝物にします!

その後も「名字が深川の人」とかいろいろあったんですが当てはまる人がおらず。正直な観客に今泉監督が驚いていました。最終的には深川さん、岡部さんとのじゃんけん勝負に。やっぱり深川さんのじゃんけんはパーから!(笑) あと印象に残ったのは、1回目のじゃんけんは全員立ってもらってから負けた人が座るやり方だったのですが、2回目はみんなに立ってもらうのが申し訳ないからと言って、最初座った状態から勝った人が立つというやり方に変わったこと。どれだけ気遣いの人なんだ深川さん*6


パンバスは宣伝活動にも力を入れていて、舞台挨拶などいろいろなイベントをしていますが、今回が一番長い時間やったイベントだったみたいです。席があまり埋まっていなくて残念だなとは思ったんですが、結果的にアットホームな雰囲気でがっつりいろいろな話を聞けて、思い切ってチケットを取って本当によかったと思いました。しかも深川さんにも会えて、プレゼントまでもらえて。積極的に行動するって大事だな〜。


今回2回目の鑑賞に加えて、トークショーでテンション上がって刺激をもらえたので、帰りの新幹線でいろいろ考えられました。またパンバスの感想も書きますので、よかったらそちらも読んでいただければなと思います。何回も観に行きたくなるとても好きな映画です。

*1:ご飯・みそ汁・ほっけ・肉じゃがとかザ・和食でした。

*2:言われてみると確かに焼きたて感があるとあの時の奥さんの心情に合っててよりよかったかも。

*3:キッパリした勢いが面白かったです(笑)

*4:雨が降っているシーンは?さとみの子どもの名前は?愛子が行く国は?など。

*5:パンとバスのイラストと「Directed by Rikiya Imaizumi」と書かれています。まだタイトルが決まっていなかったからこうなったそう。恥ずかしがる今泉監督かわいかった(笑)

*6:後から考えると車いすの方もいたのでそういう部分での配慮もあったんだと思います。