「天国はまだ遠く」/瀬尾まいこ
- 作者: 瀬尾まいこ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/10/30
- メディア: 文庫
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読んでみて、やっぱり瀬尾さんの作品好きだなぁと思いました。
物語は死のうとしていた主人公が田舎での生活やある男の人との出会いを通して心を取り戻していく姿を描いています。その中での登場人物の心の動きがスっと入ってくるし、終わり方もちょっとキュンとさせつつサラっとしているので、読み終わったときとてもいい気分になれました。
ただ、田舎での穏やかで素晴らしい生活を描きつつ、田舎の厳しさや閉鎖感もきっちり描かれています。あとがきを読んでこれが瀬尾さん自身の実体験に基づいたものだと知って納得。
今これ書いてて主人公の名前を思い出せないなぁと思ったら最初にちらっと出てくるだけでそれ以降ほとんど出てこない*1からなんでした。名前を知ってても「あんた」とか「姉ちゃん」ですんでます。そこも主人公があくまでもよそ者であることの表れなんですね。「確実にいいところなのに自分がいるのは違う気がする」という思いが膨らんでいく過程が自然でした。
「天然コケッコー」のときといい、なんか私は田舎の閉鎖感に興味があるようですね(笑)
また瀬尾さんのほかの作品も読みたいと思います!
…そういえば、これも映画化されるみたいですね。主人公は加藤ローサさんがやるみたいで。最近ビールのCMとか見てても表情が豊かになってほんと演技がうまくなったなぁと思う*2ので見てみようかな。