低空飛コウ

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「彼方からの手紙」

DVD>東京藝術大学大学院映像研究科第二期生修了制作作品集2008 (<DVD>)

DVD>東京藝術大学大学院映像研究科第二期生修了制作作品集2008 ()

久々だなこのカテゴリ。
朝倉さんがヒロインとして出ている+今注目されてる新鋭監督さんみたいだったのですぐ見たくなりまして。
大学院の卒業制作みたいな感じだったので見れないかなと思ってたんですが、DVDが出てました。
見つけた時はかなり喜びましたよ。
以下内容にふれています。長いです。


始まった瞬間、「邦画らしい邦画は久々だな」と思いました。
宮崎あおいさんにハマってた頃は出演作含めマイナー系邦画を結構観てたので。
物語は不動産会社で働く青年(吉永)のもとに父親がかつて住んでいた家を探している少女(由紀)がやってくるというもの。
そして、2人でその家を探しに行って、見つけた家に入ってみると奇想天外なことが起こり始めるのです。
…物語の大筋は確かにそうなんですが、観てみると実際の物語をつかむのが難しくて。
ほんと劇中の吉永が言ってる通り「現在はどこだ?」って感じなのです。
結末というか2人の関係は結構最初のほうでわかるものの、時間軸が交錯してて何が本当か分からない。
2回観てなんとか自分の中でしっくりくる解釈は見つかったんですが。まぁ、観る人によって全然違うでしょうね。
この映画では「バス」が異世界への橋渡しのような役割なのかなと思います。
由紀はバスに乗ってやってきて、吉永はバスに乗らなくて、2人はバスに乗って家にたどり着く。
見つけた家でもそうですが、窓から見える景色がすごいことになってますよね。
ちょっとドラえもんを思い出したりもしてました。由紀がセワシくんみたいな。
たぶん自分の気持ちの整理ができただけで由紀のいる世界は特に変わらなかったけど、吉永のこれからは由紀との出会いで変わったのではないかと。そう思いたい部分も含め。てか吉永の漠然とした悩み具合がたまらなく好きじゃなかったです(笑)


映像は見せ方や色彩がとてもきれいだなと思いました。
人の表情やしぐさはもちろん景色の一つ一つもこの映画になくてはならないものとして存在している感じ。
音楽も映画の雰囲気にピッタリでしたね。あの歌は観終わった後もループします(笑)
そして俳優さん。吉永役のスズキジュンペイさんかっこよかった。
あれで滑舌とか声がよければいうことないんですが。でもヘタレな吉永には合ってました。
由紀役が朝倉あきさん。純粋で無邪気なところとすれたところが混在してる感じがよかったです。
個人的には観覧車でトイレ行きたくて思いつめてる表情と、家でターン何回転もするところと*1、最後のタバコ吸う(マネをする)時の表情が好き。やっぱいいなぁ。
吉永の恋人役で三村恭代さんも出てました。「チルソクの夏」が懐かしい。
大人の女性になりましたねぇ。と思ったら同い年でした。いいなぁ。
ほかにあ〜ちゃんの妹ちゃあぽん(西脇彩華さん)も出てたりします。


この映画、批評とか見てると小難しく絶賛されていて業界うけするんだろうなと思います。
私はそういう細かいところまでは分かりませんが、好きなのは確かです。
でないと2回も観ないし、こんな長い感想書きません(笑) ただ、号泣はしないかなぁ…。分かってないのかなやっぱり。
うん。でも瀬田なつき監督のほかの作品も観てみたいですね。

*1:さすが新体操やってただけある。