「ファンタジウム」／杉本亜未

ファンタジウム(1) (モーニング KC)

この前の「君に届け」と同じパターンで買いました。
TSUTAYAで立ち読みしてて泣きそうになって3巻一気に購入！っていう。
評判は聞いてましたが、イメージとは違って真っ暗な中に一筋の光が射し込んだような美しさのある物語。マジシャンの話だからパーッと華やかな話かと思ってました。
主人公は13歳の中学生長見良。天性のマジックの才能を持っています。その才能に魅せられたサラリーマン北條英明が彼とともに世界を目指すという物語。
良くんはある事情で深い昏さを抱えているのですが、自分を強く持っていて、マジックの腕だけでない人を魅了する何かがある。彼がマジックで見る人を笑顔にしていくシーンはどれも好きです。
そのある事情から人生を達観しているようなところもある良くんですが、かなり子供っぽいところもあってかわいい。「全身泥棒ルックで固めてきて俺の気分は最高潮だ」が好きでした(笑)　北條さんはすごくかっこいい大人の男性なのに、純粋でなーんか抜けてるところがいいです。一方で良くんにとってこの人の存在がどれだけ大きいか。
そして、この物語で描かれる感情はどれも深くて、感情の流れの見せ方がとても美しい。
はっきり言って私には理解できていない部分も多いのですが、それでも心に響いてくる。特に良くんに関してはどんな思いでそこに辿り着いたのかを考えるとどうしようもなく泣いてしまうんですよね。もっと年齢を重ねたらまた感じ方が変わるんだろうなと思います。
絵は少し古い？感じですが、良くんの外見がどストライク！なのでこれだけでも読むのが楽しいです。ドキッとする表情が満載なのさー。
まだまだ物語は始まったばかりなのでこれから2人がどうすすんでいくのか楽しみです。