低空飛コウ

好きなものいろいろ。

「幸福な食卓」

やっと本が読み終わりました。何か自分が気に入ってしまった本って読み終わりたくなくて最後なかなか読み進められなくなるんですよねぇ。上のようなことを考え始めたのもこの本を読んだからです(笑)
この物語に出てくるのは一見普通なのにある事件がきっかけで実はいろいろ壊れている家族。主人公の佐和子はこの家族の中で唯一普通であろうとしている子で、自分が思ってるより優等生でいい子です。私は映画を先にみたので北乃きいさんのイメージでずっと読んでいたのですがぴったりでしたね。というか映画のキャスティングすごいよかったんだなぁと改めて思いました。この佐和子が同級生の坂戸君や大浦君*1、直ちゃん(兄)の恋人ヨシコさんに出会って、いろんな出来事を経験して乗り越えながら自分が実は温かいものに包まれて生きているということに気づいていくのですが、物語が終わった後にいま観てよかった、読んでよかったと思える作品でした。というのも、いろいろあって私の家族もたぶん壊れ始めていて、「家族」であるということがたまらなく苦痛なこともあるのですが、それでもやっぱり自分にとって大切で必要なものなんだよなと思わさせてくれたからです。「気付かないところで中原*2っていろいろ守られてるってこと」という言葉と「家族は作るのは大変だけど、その分、めったになくならないからさ」という言葉はとても印象的で、心に残りました。

幸福な食卓 (講談社文庫)

幸福な食卓 (講談社文庫)

*1:映画ではどちらも大浦君でした

*2:佐和子のこと